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「食のフランス研修」レポート 2017年2月~5月

帝国ホテル東京 スーシェフ  笠原 裕也 さん
研修期間 2017年  2月 27日 ~ 5月 12日
研修店名:  Hotel Ritz Paris, Restaurant & Bar à vins Le Boudoir

帝国ホテル東京 アシスタントシェフ  松尾 直幹 さん
研修期間 2015年  2月 27日 ~ 5月 12日
研修店名:  Hotel Gorge V, Restaurant Le Cinq

笠原さん、松尾さんはご一緒に成田からインチョン経由パリへご出発。パリ到着後はすぐ宿舎でもあるホテルへ。そして、スタッフからの電話で安心なさったとのことでした。

研修目的:
笠原さんはフランスの文化とフランス料理の原点に触れること。
松尾さんはフランスの雰囲気、流行り、料理に対する姿勢を感じたいということでした。

Q. 研修先に行ったときの第一印象はどうでしたか?
R. 笠原さん:とてもきれいで最新の調理器具がそろっているなと感じました。
  松尾さん:すごく綺麗で設備が整っていて、スタッフが多く若いと思いました。
Q. 研修先ではお二人とも馴染むのには数日かかったようですね。
 最初に与えられた仕事は何でしたか? その後は?
R. 笠原さん:ソシエのスタッフの補助で食材の下処理や簡単な火入れと肉や魚のポーションカットなどです。
  松尾さん:ヴィアンドの仕込みを1ヶ月くらいやりました。その後ヴィアンドのオーダー対応を、そしてソシエの仕事をさせてもらい、満足でした。
  笠原さん:私は納得のいかない仕事にはnon と言い、オーダーに即した火入れや盛り付けなどやりたい仕事をさせてもらいました。
Q. 厨房のフランス人スタッフの仕事ぶりを見てどう思いましたか?
R  松尾さん:自分の担当ポジションの仕事が時間内に終わらない時は休憩時間を削っても働いていました。チームワークがよく、必ずしも担当セクションにとらわれず流動的に動いていました。
George V-1

Q. フランス語に関してどうでしたか?
R. 笠原さん:言われたフランス語を頭の中で理解するのに時間がかかり、素早い判断ができずに困りました。  
  松尾さん:最低限の会話はなんとかわかりましたが、やはり普段の会話のスピードについてゆくのは難しかったです。
Q. 辛かったことはありましたか?
R.  笠原さん:つらいと思ったことは特にありませんでした。
  松尾さん:つらいというわけではありませんが、フランス語が分からない時、相手が時間をかけて説明してくれるので、彼らの時間を割いてしまったのが申し訳なかったです。
Q. うれしかったことは何ですか?
R.  笠原さん:丁寧に行った仕事を喜んでくれたことです。魚や肉、ガルニチュールの出来を褒められると日本での仕事を褒められているようで、うれしかったです。
  松尾さん:「研修生の受け入れだったけど、普通のスタッフとして仕事をしてくれてありがとう」と言ってもらえたことです。
Q. 厨房で日本と違うな、と思ったことは何ですか?
R. 松尾さん:掃除がしやすいこと、はさみなどの道具は個人所有であるところ。
  笠原さん:食材の端材を賄いで使えば無駄にならないという考え方です。日本でも同じことをしているように思えますが、残り物だけでなく賄い用に食材を仕入れているので結果的には食材を捨てていることになっていると思いました。
Q. 今回のお二人の研修中、シャンゼリゼ通りのテロ事件があり心配でしたね。その他の生活面で日本と違うと思ったことはなにかありましたか?
R. 松尾さん:治安の面で常に気を張っている感じでした。普段は家族との時間をとても大切にしていると思います。また、生活をしているだけで芸術的なことに触れる機会が多くあり、刺激があります。
  笠原さん:一方で、公衆衛生が行き届いておらず、駅や裏道では鼻をつく臭いやゴミが多くみられたことは東京とは違うと思いました。
Q. フランス研修を終えて一番良かったと思ったことは何ですか?
R.  笠原さん:現地でしか出会えない新鮮な食材に触れられたこと。輸送に時間がかかる日本ではフォワ・グラを生で食べることはできません。また、フランスの生の魚の内臓をソースとして出してきた驚きは日本では味わえなかった。
  松尾さん:日本の仕事の仕方との違いを見ることができたこと。ソースの作り方は食材の管理に加え、シェフの立ち位置なども勉強になりました。
Q  思わぬ発見はありましたか?
R. 笠原さん:いろいろレストランを回りましたが、良いレストランというのは「星の数」ではないのだな、と思いました。
  松尾さん:色々な国の食材がフランス料理に取り込まれていること、プレゼンの皿に見たこともない様なものが多くありました。 フランス在住の日本人料理人の方と知り合い様々な情報を得ることもできました。
Ritz

Q. これからフランスへ行こうとしている方たちへのアドバイスなどありますか?
R.  松尾さん:もっとフランス語を勉強しておけばよかったです。
  笠原さん:同感です。言葉の勉強はしっかりしてゆくべきだと思いました。
Q. 他には?
R. 笠原さん:行ってみないとわからないこと、出会えないことが絶対にあります。日本国内だけでは「単なる知ったかぶり」になってしまう可能性があります。
  松尾さん:自分からみんなの中へ入って行かないと距離が縮まらないので、仕事をするうえでもコミュニケーション力がとても大切です。だからやっぱりフランス語の勉強をしておくべきです。

お二人ともまたすぐにでもフランスへ行きたい、とのことでした。

ご協力をありがとうございました。
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「食のフランス研修」レポート 2015年3月~9月

2015年3月10日~9月6日
シャルキュトリ「キュルノンチュエ」勤務 
西村正和さん : 
 Le Rillon Chaud montbazon
 Reynon Lyon
 Pierre Boucher Orange

料理人でありシャルキュティエの西村さんはご自身のスキルアップはもちろん、会社の新商品開発の為の研修でもあったようです。

~ 西村さんに研修の様子をうかがいました ~

Q. 研修はパリではありませんでしたが、まずはパリのホテルへ向かい、スタッフからの連絡を待ったのですね?
R. はい、フランスは初めてではありませんが、日本語を話すスタッフからの電話でまずは一安心でした。

Q. 厨房ではフランス人スタッフの仕事振りを見てどんな風に感じましたか?
R. とてもよく仕事をします。日本人以上に働くと思いました。 20,21歳でも同世代の日本人とは比べ物にならないくらいしっかりしていると感じました。
charcuterie    DSC_1672.jpg


Q. 最初に与えられた仕事は何ですか?その後は?
R. 最初は惣菜に使用する野菜のそうじやカット、次は肉のそうじやソーセージの糸縛りなど。その後も与えられた仕事はすべてしました。

Q. フランス語に関してどうでしたか?
R. 最初は片言でしたがなんとか会話はできました。でも自分の発音がなかなか分かってもらえませんでした。特に R の発音は聞き取ってもらえませんでした。

Q. 辛かったことは何ですか?
R. 厨房では何とかなっても、日常の会話には苦労しました。また、一からやり方を教えてくれたり、優しく支持を出してくれることがあまりなかったのはちょっと辛かったです。

Q. うれしかったことは何ですか?
R. スタッフと仲良くなり家に招待していただきおもてなしを受けたこと。研修が終わりに近づくと「まだこの店にいてくれ」「ずっとフランスにいてくれ」と言われたことはとてもうれしく思いました。

Q. 日本と違うな、と思ったことは何ですか?
R. はっきりものを言わないといけないこと。実力社会だと感じました。生活面では物価が高いと感じました。

Q. フランス研修を終えて一番良かったと思ったことは何ですか?
R. 全てにおいて勉強になりました。最初の研修での宿舎はホームステイのような形だったので、フランス人の生活や日常・食文化を見ることができたこともよかったことです。研修が地方だったこともあり、その地方地方の初めて見るシャルキュトリに出会えたこともよかったです。

Q. これからフランスへ行こうとしている方たちへのアドバイスなどありますか?
R. フランス語をもっと勉強しておけばよかったと思います。これから行く人はしっかり勉強するべきです。

journal.jpg   
南仏 Orange の新聞に西村さんの特集記事が載りました。


ご協力をありがとうございました。

theme : パリ、フランス
genre : 海外情報

「食のフランス研修」レポート 2015年2月~4月

2015年2月10日~4月25日
帝国ホテル東京  調理部 レストラン調理課 主事  松本 桂さん : 
     Mandarin Oriental (Sur mesure par Thierry Marx)2015年ミシュラン2つ星

帝国ホテル大阪  営業部センター調理課 アシスタントシェフ  沼田 堅二朗さん : 
     Pavillone Ledoyen 2015年ミシュラン3つ星

パリ着は2月10日、研修開始は2月12/13日です。
二人とも、フランス滞在は3か月ですが、実際の研修は4月25日に終え、その後はフランス旅行をなさっています。
研修目的:今までやってきた事の再確認と、フランス人と日本人の仕事への取り組み方の違いや考え方の違いをみてみたかったのでと、松本さん。

~ 松本さん、沼田さんに研修の様子をうかがいました ~
松本さんは成田から、沼田さんは関空から出発、仁川にて合流しご一緒にパリへ。パリ到着後はすぐ宿舎でもあるホテルへ。そして、スタッフからの電話を待ったということでした。

Q. 研修先に行ったときの第一印象はどうでしたか?
R. 松本さん:厨房が小さいと思ったのが第一印象でした。でも奇麗で色々な道具や機材は揃っていました。
沼田さん:厨房は広くスタッフも多く活気にあふれていました。

Q. 厨房ではフランス人スタッフの仕事振りを見てどんな風に感じましたか?
R. 松本さん: 思っていた以上にフランス人は働くと思いました。忙しいときは休憩もせずに働いていました。忙しいときの集中力はすごいと思いました。
沼田さん:常に動きが速かったです。サービス中の集中力もすごかったです。

Q. 最初に与えられた仕事は何ですか?その後は?
R. 沼田さん:生の帆立貝を300枚薄くスライスしました。次に何をしたかの順番は忘れてしまいましたが、やることは沢山ありました。でも納得のいかないものは受けませんでした。
松本さん:ガルドマンジェの仕込みと、アミューズの盛り込み等です。その後はガルドマンジェのサービスとガルドマンジェ、ポワソン、ヴィアンドの仕込み等です。
image1.jpg   

Q. 辛かったことは何ですか?
R. 沼田さん:言葉がわからないので精神的に辛かったです。地下にも広い仕込み場や冷蔵庫があったので階段の上り下りを走って1日30回以上はしていたので体力的にも辛かったです。
松本さん:ホテルのレストランなので、様々なスタッフが働いており、色々と話しかけてくれたり、丁寧に説明してくれたりするのですが、それに対して上手く返す事が出来ないとき、どうして良いか解らない時は、情けなくもあり、辛かったです。

Q. うれしかったことは何ですか?
R. 松本さん:フランス人の料理人が丁寧に解るまで教えてくれた事。別の部署に行き一人で困っている時に「何か解らない事があったら何でも聞いてくれ」と言ってくれた時は嬉しかったです。そして、普通に一スタッフとしてフランス人と一緒に働けた事。
沼田さん:飲み会に誘ってくれた事、最終日に写真を撮ろうと言ってくれた事、言葉がわからない自分に丁寧に分かりやすく伝えてくれた事、困っている時に必ず助けてくれた事。沢山あって伝えきれません。

Q. フランス語に関してどうでしたか?
R. 松本さん:仕事中、単語は聞きとれるのですが、文章でスラスラと話されると理解するのに苦労しました。でも「解らない」と言うとこっちが理解するまで、簡単な単語等を使って説明をしてくれました。
沼田さん:普通のスピードで話しかけられると全くわかりませんでした。

Q. 辛かったことは何ですか?
R. 沼田さん:言葉がわからないので精神的に辛かったです。地下にも広い仕込み場や冷蔵庫があったので階段の上り下りを走って1日30回以上はしていたので体力的にも辛かったです。
松本さん:ホテルのレストランなので、様々なスタッフが働いており、色々と話しかけてくれたり、丁寧に説明してくれたりするのですが、それに対して上手く返す事が出来ないとき、どうして良いか解らない時は、情けなくもあり、辛かったです。

Q. うれしかったことは何ですか?
R. 松本さん:フランス人の料理人が丁寧に解るまで教えてくれた事。別の部署に行き一人で困っている時に「何か解らない事があったら何でも聞いてくれ」と言ってくれた時は嬉しかったです。 そして、普通に一スタッフとしてフランス人と一緒に働けた事。
沼田さん:飲み会に誘ってくれた事、最終日に写真を撮ろうと言ってくれた事、言葉がわからない自分に丁寧に分かりやすく伝えてくれた事、困っている時に必ず助けてくれた事。沢山あって伝えきれません。

Q. 日本と違うな、と思ったことは何ですか?
R. 沼田さん:調理器具は自前で用意するものが多かったり、1日に何回も掃除をするところです。
松本さん:厨房が狭い事。サービス中は仕込みがする場所がなく、手が空いていてもあまり仕事が出来なかったこと。
また、細かい道具等は、全て個人で持っていたこと。
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Q. フランス研修を終えて一番良かったと思ったことは何ですか?
R. 松本さん:いつもと違う環境に身を置く事で、言葉も違い不自由な中で考えることも多く、物事を色々な観点から見るとまた違った答えが見つかり、考える幅が広がったと思います。
沼田さん:三ツ星レストランの仕事を見ることができた、ということです。

Q. これからフランスへ行こうとしている方たちへアドバイスをお願いします。
R. 沼田さん:言葉が喋れないとやれる仕事が限られてくるので、言葉は勉強しておいた方がいいと思います。喋れるともっと楽しいと思います。
松本さん:やはり言葉が重要だと思います。言葉を理解すると仕事やプライベートも充実すると思います。それから、限られた期間ですので、行く前にある程度の予定を立てておいた方が良いです。加えて、細かい調理用具や軍手等を持参すればよかったと思いました。計りも個人持ちだったので色々と現地で揃えました。

ご協力をありがとうございました。

theme : パリ、フランス
genre : 海外情報

「食のフランス研修」レポート 2014年2月~5月

帝国ホテル東京  調理部   都沢さん : 
Mandarin Oriental (Sur mesure par Thierry Marx)2015年ミシュラン2つ星
帝国ホテル東京  調理部   加藤さん : 
Le Royal Monceau Raffles Paris            2014年ミシュラン1つ星

パリ着は2月25日、研修開始は2月26日です。

お二人とも、フランス滞在は3か月ですが、実際の研修は5月17日に終え、その後はフランス旅行をなさっています。

研修目的  
都沢さん:自分自身の今までを確認し、確信したかったから。
加藤さん:今までやってきた自分の仕事をフランスで通用するのか確認したかったから。

~ 都沢さん、加藤さんに研修の様子をうかがいました ~

Q. パリ到着後はすぐに宿舎へ向かったのですか?
R. 加藤さん:はい、スタッフからの電話連絡が夜9時頃ありました。
  都沢さん:宿舎に着いてフランスへ来たと言う実感がわきました。

Q. 研修先へはスタッフとともにいらっしゃいましたが、最初の印象はどうでしたか?
R. 都沢さん:厨房はきれいだったし、すぐに馴染んで仕事を始めることができました。
  加藤さん:皆さんとても親切に受け入れてくれました。

Q. 最初に与えられた仕事は何でしたか?どのくらいの期間?
R. 都沢さん:付け合せ野菜のカットでした。1週間くらいだけれど、希望すればやりたい仕事もさせてもらえたと思います。
  加藤さん:ガルドマンジェでの下仕事を2~3日。

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Q. 次に与えられた仕事は?
R. 都沢さん:火入れや味付けまでするようになりましたし、その後ほとんどの仕事をしました。
  加藤さん:ガルドマンジェでのサービス中の料理出しです。与えられた仕事は全て受け入れましたし、やりたい仕事を伝えてやらせてもらいました。

Q. 厨房内のフランス人については?
R. 加藤さん:皆よく働いていて、週明けなど忙しい時は昼食もとらずに仕事をすることもありました。

Q. フランス語に関してはどうでしたか?
R. 都沢さん:フランス語は以前勉強していましたが、それでも最初は片言でスタッフと話す程度でした。その後スタッフとも親しくなりましたが、単語のみでなく前置詞とセットで覚えないと伝わらず聞き取れないことが多かったです。
  加藤さん: 仕事のフランス語は何とかわかっても、プライベート時間での会話が難しかった。言われていることはそこそこわかっても、返す言葉がうまく出てきませんでした。

Q. 厨房で日本と違うな、と思ったことは何ですか?
R. 都沢さん:設備の違いです。星付きの店でも必ずしもいい環境ではないなと思いました。
  加藤さん:皮むき・くりぬき・はさみなど日本の厨房では普通に常備されている調理器具が個人調達だったことです。その他フランス人は日本の食材や調理法に加え北欧・南米の調理法などを積極的に取り入れていました。

Q. フランス研修を終えて一番うれしかったこととよかったことは何ですか?
R. 都沢さん:うれしかったのはスタッフのほぼ全員からもっと一緒に仕事がしたいと言われたこと。わかってはいたけれど自分自身の長所短所を再確認できたことはよかったことです。
  加藤さん:サービスを任せられたこと、アレルギーのお客様の特別メニューを任せられたことはとてもうれしかったです。行ってよかったと思うのはフランス人と多くの時間を共にすることでフランス人気質が少し理解できたことです。

Q. 休日はどのように過ごしましたか?
R. 都沢さん:主に散策で20区全てに行きました。その他デパートの地下も面白いです。
  加藤さん:食べ歩きとパリの観光。またおいしそうな食材を見つけては部屋で料理もしました。

Q. これからフランスへ行こうとしている方たちへのアドバイスなどありますか?
R. 加藤さん:研修の期間にもよりますが、3か月だとあっという間で日本にいる間に緻密に計画を立てておけばよかったと思います。 
  都沢さん:言いたいことを伝える・理解する・発展すると言うコミュニケーションのためにフランス語はかかせません。

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