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サバイヨン Sabayon

昨今流行りのムスリーヌ系ソース。その基となったと類推されるサバイヨンは、ルネサンス期に考案されました。

エスコフィエ再発見

エスコフィエ協会世界本部 Ordre International des Disciples d’Auguste Escoffier、
略して Disciples Escoffier(ディシプル・エスコフィエ)は年に4回ほど、エスコフィエ著ル・ギード・キュリネール le Guide Culinaire の中から一品を選んでそのタイトルの由来や現代的なルセットを提案しています。

サバイヨン

同会の理論的支柱となっているポールネラさんは、サバイヨンの歴史を以下のように書いています。

卵黄と砂糖、それに白ワインでつくるふわっとしたサバイヨンは古典期に遡る。
よく言われるようなナポリ起源は誤りである。
ツァヴァイオーネ zabaione あるいはツァバリオーネ zabaglione ないしツァンバイオーネ zambaione は、1570年にバルトロメオ・スカッピが出版した料理書「オペラ」の406ページに登場する。
ルネサンス期を代表する大料理人であるスカッピは、ブイヨン・ド・ヴォライユ、アーモンドミルク、卵黄、砂糖、シナモン、ローズウォーターを湯せんにかけ、とろみがつくまでよく混ぜる、と書いている。
他にもこの名称由来の説があるので紹介しましょう。
『デル・バリオーニ将軍の下で戦ったツヴァン・バジュン Zvan Bajoun と呼ばれていた兵士がエミリオ・ロマーニャ地方での戦闘の前に卵、蜂蜜、白ワイン、香草をよく混ぜたものを食べたおかげで勝利したところからツァバジョーネ zabajone の名がついた』

私たち日仏料理協会では「フランス 食の事典」で、
    …ナポリ方言 zapollare 「泡立てる」から標準イタリア語zansioneが成立したのが語源。ローマのカフェ・グレコの名物であったこのデザートは、本来マルサラ酒をベースとするが、ポルト酒やマラガワイン、ミュスカ、シャンパンでつくることもある。…
としています。「フランス 食の事典」(白水社刊)


サバイヨンを利用した現代のルセット

フォワ・グラとセープ茸 ジュ・ド・トリュフ風味のサバイヨン
● フォワ・グラのロワイヤル
  ☆鴨のフォワ・グラ       160g
  ☆フォン・ド・ヴォライユ    160g
  ☆ 卵黄              8個

● セープ茸
  ☆セープ茸           400g
  ☆カラメリゼしたヘーゼルナッツ  40g(塩味)

● ジュ・ド・トリュフ風味のサバイヨン
  ☆卵黄               6個
  ☆ジュ・ド・トリュフ       100g         
  ☆生クリーム           50g

※ 作り方は、Disciples Escoffierのホームページ参照(フランス語)
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世界でいっせいにエスコフィエ料理を!!

10月26日は、オーギュスト・エスコフィエの誕生日。
エスコフィエ協会世界本部は、今年も世界同時開催用のムニュを発表しました。

タイトルは、いつものように〔le dîner d’Epicure〕=エピクロスの晩餐会。
この晩餐会は、エスコフィエが組織して1912年に第一回を行い、最盛期には37カ国の主だったホテルやレストランガ参加しました。1914年、第一次世界大戦勃発とともに 惜しくも終焉を向かえたのです。
※エピクロスについては、「フランス 食の事典」P.79に記述があります。

料理名の隣にあるページは、Le Guide Culinaire フランス語版のページです。

また、この通りのムニュでなくてもかまいませんし、料理内容を現代風に改めてもかまいません。
要するに、年に一度、エスコフィエ料理に挑戦してフレンチの本流をお客様に味わってもらおう、
というのがこの企画のコンセプトです。

MENU

Pain de Foie Gras Lucullus        (page 649)
Consommé de Homard à la Royale  (page 117)
Filet de Sole Floréal            (page 347)
Mignon de Veau Prince Orloff     (page 495)
Laitue Braisée
Fraises Melba                  (page 846)
Pudding soufflé aux Marrons       (page 812)

※[le guide culinaire ] は、日本エスコフィエ協会を通じて購入できます。

theme : パリ、フランス
genre : 海外情報

「フランス 食の事典」における語源について

ブログ第2回目にして本来の「フランス最新情報」から脱線してしまうことをお許しください。

さて、フランス料理のメニューには、普段みかけない片仮名が頻出します。いわく“アンティーヴ風”“コンデ風”“ポピエット”“ブーダン”などなど。料理人であればどういう料理かはわかっても客にはちんぷんかんぷん。だから客席に現れた料理長に尋ねるわけです。『この意味は何?』聞かれた方だって知りません。この料理はこういう名称なんです。という以上には答えられないことが多いのです。
2000年に出版した『フランス 食の事典』は本来こういう場面を想定して料理長が客に答えられるように書いたものです。食に関することを歴史・地理・社会基盤の支店から俯瞰できるように工夫した事典なのです。この中で特に力を注いだのが、用語の語源や由来です。
先日、フランス語教室の生徒の一人にラテン語に小文字はあるか、と質問されました。確かに『食の事典』にはギリシア語、ヒンディ語などをラテン語系アルファベットで小文字で表しています。でもギリシア語やそれから派生したスラブ語言のロシア語などはキリル文字(αβγ…)ですし、ヒンディ語も全く異なる文字体系があります。古典ギリシア語やラテン語には小文字がありません。ラテン語の小文字は、おもに聖書の写本を修道院で大量に手書きで作成していく過程で創り出された、と推測されています。だから“語源”というからには本当は、それぞれの時代の文字形式で書くべきだったのかも知れません。でも、それではほとんどの読者は読めません。もしかして併記すべきなのでしょうか。
皆さんのお考えをお聞かせください。

フランス最新情報記念すべき第一回

みなさん、お待たせしました。フランス最新情報をお届けします。

コンクール「ベルナール・ロワゾ杯」Trophée National Bernard Loiseau
が創設されました。
主催者:エスコフィエ協会南西本部 Disciples Escoffier France Occitornie
開催日:2009年1月26日
開催場所:リヨン(国際食品博覧会にて)
締切:2008年11月
資格:25~35歳の料理人
テーマ:un poulet fermier de Bresse en chaud froid et ses garnitures
連絡先:Monsieur Gérard OUDIN
詳細は:oudin.g@wanadoo.jr
問い合わせ先:afjg@dmail.plala.or.jp(規約などの翻訳は致しません)
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