- plat と cuisine -

かれこれ30年、フランス語を教えています。フランス料理の辞典や事典などを編纂していることが影響しているのか、パティシエや料理人が多く在籍しています。日本の義務教育では、外国語は英語一辺倒。だから私の教室に習いに来る生徒はほぼ全員初心者です。
日本語しか話さない人たちは、外国語を習い始める時にどうしても日本語の単語や表現をフランス語でなんと言うのか、をとても知りたがります。でも、これが一筋縄ではいかないことが多いのです。

生徒の一人が書いてきたフランス語の日記に、料理という意味で cuisine[キュイズィーヌ]がでてきました。cuisine は「キッチン」の他に「(体系としての)料理」の意味があります。でもその生徒は、(体系としての)料理ではなく、どの品、つまり具体的にできあがった一品について述べたかったのでした。だから cuisine ではなくて一品一品を示す plat[プラ]あるいは mets[メ]という単語があることを教えました。日本語では、「フランス料理」というの時の「料理」も、「この店は料理が豊富」の場合の「料理」も同じく料理といいますが、フランス語では違います。

初めての外国語を習得しようとしたら、日本語で考えた内容をフランス語ではなんと言うのか、と翻訳するように考えるのはあまりいい方法ではありません。それより、フランス語の質問に、その質問の文型をそのまま受けて答える、いわゆるダイレクトメソッドで訓練する方がフランス語の上達が早いし、なにより cuisine と mets の区別などが自然に身に付きます。
外国語ができるようになるには、étudier(=学問をする)ではなく apprendre(=習得する)、言い換えると「理解し研究する」ではなく「身に付ける」が肝心です。
食の職人には常々、「仕事は本で覚えたわけではなく日々の作業で身に付けたのだから、フランス語も同じように身体で覚えるように」、と言っています。

日仏料理協会
宇田川 政喜
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