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シェフ・料理人・コック・キュイジニエ

日本ではスープというと「西洋料理の最初に出す吸い物(=新明解国語辞典)」「液体料理の総称」の定義があります。また研究社のNEW ENGLISH―JAPANESE DICTIONARYは「肉・魚・野菜などのだし汁を土台にした液状の食べもの」としています。つまりほとんどの日本人にとってスープとは以上のものなのでしょう。一方、現代フランス語でのsoupe(※フランス語には英語のスペルにeが余計に付いています!)は具のごろごろ入った家庭でつくるような料理を意味し、日本語や英語の「液体料理の総称」はポタージュpotageといいます。
ちなみに日本では、ポタージュも英語由来の「濃いスープ(=研究社 同上)」ですね。
英語史のどの時点で語と意味の混乱が起きたのかはそのうち書きますが、ここで言いたいのはヨーロッパ発祥の外来語でも日本では英語ないしアメリカ由来で定義が成立している、ということです。

かつて料理をつくる事を職業にしていた職人は、和食では板前、西洋料理ではコックと呼ばれていました。調理師という総称もありますが、役所の定めた免許を持っている人、みたいな感じがします。
ところが最近、「シェフ」をよく耳にするようになりました。私はフランス料理に関わっているのではじめはなんの疑いもなく、chef=chef de cuisineつまり料理長、を意味しているのだと思っていました。chefは英語のchiefと同じで「集団や組織の頭、長」のことです。
英語を多く使っているホテルでも料理長のことはチーフと呼んでいましたが、ヒラは「コック」でした。
当今の「シェフ」の使い方を注意して観察すると、高級な料理を作っている職人、を指しているようです。そういえばアメリカ映画の中でもシェフ、と呼んでいたことを思い出して調べてみると、案の定です。第一義では「料理長、コック頭」ですが、第二儀に「コック」が登場します。cookと違うのは多少の尊敬語的な意味合いが含まれているところでしょう。(もっともこの種の尊敬語は皮肉として使うこともあるから、尊敬されているんだ、と手放しで喜んではいけませんが)

どの分野でも職人は社会的にあまり高い評価を得ていませんでした。ですからどちらかというと多少の蔑視感を有していた「コック」に比べると「シェフ」はありがたい呼称かもしれません。ただ、フランス料理に従事している側からいうとやはり「シェフ」は料理長で、一般の料理人はキュイジニエ(女性はキュイジニエール)cuisinier, cuisinièreです。
私は今のところ「料理人」を使っていますが、この語も包丁一本渡り歩く渡世人みたいな印象がないわけではないでしょう。

☆ コック:今では蔑称の感がなきにしもあらず。
☆ 料理人:どこか渡り歩く感あり。
☆ シェフ:フランス料理に従事しているのに英語を使うのはおかしい。
☆ キュイジニエ:世間での認知度はどうか。

どれがいいのでしょうか。

洋菓子の世界ではパティシエpâtissier(女性はパティシエールpâtissière)が世間に認められつつありますから、私としてはこれからキュイジニエと呼びたいのですが、皆さんのご意見をお聞かせください。
e-mail adress:afjg@dmail.plala.or.jp

日仏料理協会
宇田川政喜
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