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ガストロノミ再考

もう何年も前のことです。レストラン批評家として一時代を築いて名声を博し、大学教授に転身した友人がガストロノミ学会を創設したい、と言っていました。どうせ面倒なことはこちらでやらなくてはならなくなるし、お互いのガストロノミの定義に大きな違いがあるので放っておきました。しかし新しい料理辞典の編纂の山を越えた今、ガストロノミの日本語訳について再考する必要を感じています。

ガストロノミは、フランス語でgastronomie、英語ではgastronomyと綴り、定義はそれぞれ以下の通りです。
☆gastronomie: ・「ごちそうを楽しむ術」=ラルース百科事典
            ・「調理、ワイン、食事の順序などのごちそうの術」=ロベールフランス語辞典
☆gastronomy:  「適切に食べ、飲むための実践、研究、術」=オクスフォード英語辞典

「胃」を意味するgasterと「…学、…法」の意味のnomiaというギリシャ語の合成語で、17世紀前半の詩に初めて登場します。現代の意味でgastronomieが用いられたのは1800年にジョゼフ・ベルシューが書いた『ガストロノミあるいは食卓の田園人』です。そして1835年にフランス学士院が正式に採用した語なのです。英語は当然のことながらフランス語からの借用語です。

ガストロノミに該当する日本語は、今のところ「美食」しか思い当たりません。
☆美食: ・「味の良い食べ物を食べること、またはその食べ物」=広辞苑
      ・「庶民が毎日食べるわけには行かない、うまい食べ物(を食べること)」
                                         =新明解国語辞典
      ・「贅沢な食べ物、またはそれを食べること」=日本語大辞典
「美食」は、専らうまい食べ物及びそれを食べること、だけを意味するのに対し、「gastronomie」には、うまい食べ物及びそれを食べること以外に、調理、ワイン、それを取り巻く関連分野の研究まで意味に含まれます。これではgastronomieを美食と訳す事はできません。

結局、IT分野と同じように、敢て日本語にすることはせずにそのまま仮名で「ガストロノミ」としています。横着せずにもっと検討しなさい、という声が聞こえてきそうです。でも漢字は偏や旁あるいは冠を組み合わせての造語が可能であるように、またヨーロッパ語が接頭辞、接尾辞を語幹に加えて新しい語を作れるように、日本語では新語を作れないのです。
どうしましょう。皆様のご意見をお聞かせください。
mail : afjg@dmail.plala.or.jp

日仏料理協会
宇田川政喜
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