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再び食品偽装問題について

先にブラックタイガーを使っているのに車海老と称して売り出すのは“誤表記ではなく偽装だ”、と言うようなことを書きました。その後出るは出るはあちこちのホテルやデパートまで同様の手口で客をだましていたことが発覚しています。中にはコック服を着て登場した中国料理の責任者が「中国料理では小海老を芝海老と呼ぶ習慣がある」などと言っていました。さすがにその後複数の同業の料理人が否定をしました。こんな言い訳を牽強付会と言うのでしょう。

でもその報道にいくつかの疑問もあります。例えばあるレストランが指摘されたのが牛フィレ肉の仕込み段階での手法でした。フィレ肉は皆さんご存知のように細長い円筒形の部位で頭の方の太い部分をシャトブリアン、反対の細い部分をフィレ・ミニョンと言います。均一の太さにしてどこで輪切りにしても同じようにするために何十年も前からフィレ・ミニョンの部分を切って折るようにフィレにのせ、紐で縛るなどしていました。いい結着剤が開発されてからは紐で縛らず結着しています。シャンピニョンのデュクセル(細かいみじん切りにしてたまねぎなどとバターで炒め生クリームを加えたもの)をまぶしてパイ生地で巻き、オーヴンで焼いた牛フィレ ウェリントン風filet de bœuf Wellington もこの手法でつくっているはずです。フィレ・ミニョンもフィレの一部で一連の筋肉です。この手法まで“偽装”と言われても、はい、そうですか、すみませんでした、とはならないでしょう。

20世紀はじめに初版が出版されたオーギュスト・エスコフィエ著“料理の手引き Guide Culinaire” には牛肉の塊を柔らかくしたり風味を付けるために細切りの豚脂やトリュフを刺し込む調理法が登場しますが、これにもいちいち「細切りの豚脂やトリュフを差し込んだ加工肉」と断りを入れなければ偽装になるのでしょうか。肉だけではありません。魚の身にもやはり細切りのアンチョヴィを差し込みます。一方、1キロの豚肉が1.3キロになるほど添加物を注入している日本のハムも1キロの肉が0.7キロほどになってしまうフランスなどのハムも同じハムと言えるのでしょうか。それに英語でハムhamは“もも肉”と言う意味なのになんで他の部位を使っても日本ではハムと言っていいのでしょうか。

ホテルや外食産業の側の偽装で始まった事件がなんだかおかしなことになってきました。
料理人の皆さん。変な非難には毅然として反論してください。

ご意見をお待ちしています。
e-mail: afjg@dmail.plala.or.jp
日仏料理協会
宇田川政喜
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パリ、リヨン駅

このコラムで9月に「マルセイユ その2」を書きました。その際youtubeの画像付きでパリのリヨン駅を紹介しましたが、今回はその2階にあるレストラン、ル・トラン・ブルーなどのお話です。

日本では東京駅は東京に、京都駅は京都にあるのが常識ですが、リヨン駅はパリの駅です。リヨンやマルセイユ、ニース方面に向かう列車のターミナルで、東京の上野駅の趣があります。『ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく』と石川啄木の詩にあるように上野駅には東北地方から上京し、あるいは帰省する人たちが彼らの訛りで話すために東北情緒に溢れていました。リヨン駅でも地中海訛りのフランス語が飛び交い、パリにいるのにまるでマルセイユの下町にいるような気になるのです。

駅の中央辺りにあるアール・ヌーヴォ式の階段を登って同じスタイルの扉を押すと、そこには少し古びてしまったもののベル・エポックの世界が広がります。天井から壁面、テーブル、コート掛けに至るまで昔のまんま。30年前はミシュランレストランガイドブックで一つ星が付いていたレストラン、ル・トラン・ブルー le Train bleu は駅のレストランだけあって何時でも食事ができるし、お茶だけでも注文ができます。メニュー内容は今では普通のレストランと同じような品が並んでいますが、かつてはリヨン料理がスペシアリテとして並んでいました。わが友でシャルキュトリのMOF、ジョルジュ・ドラングル氏がリヨン風クネルを卸していたことが思い出されます。
https://www.youtube.com/watch?v=pLSor5REIl0


リヨン駅と言えばシャンソン歌手バルバラがその歌を歌っています。私はバルバラの r の発音が好きです。咽喉内突起、通称のどチンコがころころ揺れて球を転がしているようです。
“暗いパリからヴェネチアへ行ってゴンドラに乗ろうよ、カプリへ行こうよ、だからリヨン駅に来てよ”ってな内容です。
https://www.youtube.com/watch?v=2vABvrHgsps

ブラスリ・リパイユ元町で21日、22日に催すボジョレ・ヌーヴォのディナーでは友人の井元幸子さんが日本語でこの歌を歌ってくれます。今から楽しみです。

日仏料理協会
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