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à la Nesles

先日、友人の料理長から料理のタイトルについての質問がありました。côtelettes de pigeonneaux à la Nesles 仔鳩のコートレット ネール風です。この料理は、1903年刊のオーギュスト・エスコフィエ著『ル・ギード・キュリネール』のP.625に掲載されていて、今年の日本エスコフィエ協会主催の料理コンクール決勝のテーマにもなりました。

我が友はフランス語がよくでき、折に触れてこの『ル・ギード・キュリネール』を原文で読むそうですが、今回の à la NeslesのNesles が人名なのか地名なのかわからない、調べてほしい、とのことでした。

1979年柴田書店刊の日本語版『ル・ギード・キュリネール』P.895には、コートレット・ドゥ・ピジョノー・ア・ア・ラ・ネスル、というなんとも半端なかたかなが付いています。Nesles は、普通なら[ネール] ないし[ネル]と発音するし、côtelette「コートレット」と表記するならdeをなぜ「ド」ではなく「ドゥ」としたのかもわかりません。いずれにせよまず発音の確認のために何人かの仲間に電話をしました。やはり、Nesles は[ネスル]ではなく、[ネール] ないし[ネル]でした。
(※フランス語には日本語の「鯉[コイ]」と「行為[コーイ]」のような短母音対長母音の意味上の対立がありませんから Nesles のようなフランス語をかな表記する時にはいつも悩みます。)
でも、私たちが書いた『フランス 食の事典』や『新フランス料理用語辞典』にも収録していませんでした。

調べてみると、どうやら Nesles ネールは、現在では Nesles-la-vallée というパリ北西35kmにある小さな町で、鳩の飼育が盛んだったようです。でも、なぜエスコフィエがこの名を命名したのかわかりません。
この仔鳩料理の名に使われた Nesles が、本当にこの町の名に由来しているのか、また命名の由来をご存知の方、教えてください。

日仏料理協会
宇田川政喜
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