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フォワ・グラ

テレビ番組用にコメントを求められました。コンビニチェーンが発売予定だったフォワ・グラ入り弁当を取り止めにした件についてです。動物愛護団体の一部は、以前から鯨やいるかを食べることなどに反対していますが、今回は鴨や鵞鳥の強制肥育によって得られるフォワ・グラに反対してこの弁当を対象にし、抗議したのをコンビニ側が受け容れたのです。

おそらく2万年くらい前から農耕と共に牧畜も始まりました。フォワ・グラの歴史は少なくとも古代エジプトには始まっていて、古代ローマでは鴨や鵞鳥にいちじくを与えていたとの記述があります。ご存知のように渡り鳥の水鳥は、らくだがこぶにエネルギー蓄積をするように、肝臓に長旅のためのエネルギーを貯めておくのであって、私たちが問題としている病気の元となる肥大肝臓とは違うのです。その機能を利用して、生きるための必要量を大きく超えて餌を与え、肥大肝臓を作り出すのが、フォワ・グラです。病死一歩手前まで肥育させる和牛と同じです。

すべての動物は、食べなければ生きていけません。ヒトは、他の動物と同じように飢えとの闘いをしてきました。安定的に食べられるようになると、食べることに楽しみや喜びを見出すようになります。ガストロノミの本質です。栄養の摂取過多が健康に影響を及ぼすと知的にはわかっていても遥か昔の飢餓を体が覚えていてついおいしいもの、つまりカロリーの高いものを食べ過ぎてしまいます。霜降り牛やフォワ・グラ、ケーキが好きなのも当然といえば当然です。ましてや霜降り牛に比べてずっと歴史の長いフォワ・グラはあこがれの食材でした。今、それを口にできるようになった庶民を非難することはできません。

雑食性であるヒトは、狩猟・採集の太古の昔から動物や魚を取って命を紡いで来ました。地球上に90億人にもなってしまったヒトが今でも狩猟・採集というわけには行かないでしょう。その点、魚の養殖や牧畜は理にかなっているのではないでしょうか。自分が食べないからといって他の人たちが食べているものを非難する権利は誰にもありません。昆虫を食べようが、犬肉を食べようが自由です。ミニ豚を愛玩する人もいればとんかつを好きな人もいるのです。飲食に特別のタブーを持っていない日本人は、ピュリタン(=清教徒)的な基本哲学を未だに持っているアメリカ人や豚などを決して食べないイスラム教徒の主張するように食生活を送らなくともいいはずです。

他人に迷惑をかけない程度の自由を妨げない器量を持ちたいものです。

日仏料理協会
宇田川政喜
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