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ストラスブール I

今月初旬、料理長の会、エスコフィエ協会の国際総会が東フランス、アルザス地方の都市、ストラスブールで開催されたので行ってきました。

アルザス地方は、あまり旅をしない私にとって初めての土地です。

ローマ時代から古代ローマとゲルマン人がぶつかるいわば文明の国境にある地方で、19世紀から20世紀半ばにかけてドイツとフランスの領土分捕り戦争の主戦地になって人々は大変苦労しました。戦後はその反省を含めてヨーロッパ共同体ができ、今では欧州議会が置かれてヨーロッパの中心地として栄えています。

食文化としてははっきりとゲルマンつまりドイツ的で、名物のシュークルートやベクノフをドイツ語みたいな店名のレストランで食べているととてもフランスにいるようには思えません。

ただ少し残念だったのは地名や店名は別にすると人々の会話がドイツ語的ではないのです。アルザス語はフランス語ではなく、ドイツ語方言なので日本を出る前にドイツ語のおさらいを少ししたのですが、聞こえてくるのはフランス語ばかり。地元の人に聞いたらアルザス語は特に若者の間ではすっかり廃れてしまってみんなフランス語になってしまったと言っていました。先進国ではどこでもそうですが、地方色がどんどん失われてしまって旅の楽しみが少なくなりました。そういえば私がかつて住んでいたプロヴァンス地方でもプロヴァンス語はおろかプロヴァンス訛りさえ少なくなってしまっています。

しかしこの均質化は違うところでは素晴らしい効果を上げています。トラムtram=市電、です。パリにこそ外周部にしかありませんが、マルセイユだろうが、ニースだろうが、リヨンだろうが、ちょっとした街にはほぼ必ずトラムがいてとても美しい。美しいだけではなく、低床式で乗り降りがとてもたやすく便利です。古い街並みに超モダンなトラムは新しい風景として私の心を奪います。

tram1   tram2   tram3   P3071174.jpg




次回は本題のアルザス料理についてお話します。ご期待ください。

日仏料理協会
宇田川政喜
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